2023年、世界経済は激動の年となりました。特に為替市場は、米国の金融引き締めと日本の金融緩和という金利差拡大の影響を受け、円安ウォン高いつまで進行するのかと気になる方も多いことでしょう。しかし、2024年に入り、状況は変化し始めています。日銀の政策転換と世界経済の減速懸念により、円高・ドル安、ウォン安ドル高への転換が予想されています。
円安ウォン高はいつまで続く？ー終焉を告げる要因
2024年に円安から円高へのトレンドへとシフトしていく要因として、日銀の政策転換・世界経済の減速懸念・米国経済の低下が挙げられています。各項目について解説をしていきます。
日銀の政策転換
2023年12月、日銀はついにマイナス金利政策の修正に踏み切りました。これは、長年続いた超金融緩和政策の終わりを意味し、日本と米国との金利差縮小につながります。金利差縮小は、円買い・ドル売りの圧力となり、円高・ドル安を促進する大きな材料となります。
世界経済の減速懸念
2024年、世界経済は減速懸念が強まっています。米中貿易摩擦や欧州のエネルギー問題などが影響し、世界経済の成長率は低下すると予想されます。世界経済の減速は、リスク回避の動きを加速させ、安全資産である円やスイスフランへの需要を高めることが予想されます。
米国経済のピークアウト
米国経済は2023年後半から減速の兆しを見せており、2024年には成長率がさらに低下すると予想されています。米国経済の減速はFRBの利上げペースを鈍化させ、ドル金利の上昇を抑制します。
円高・ドル安、ウォン安ドル高への影響
円高になった場合は輸出企業にとって逆風となり、業績悪化や海外移転の加速が懸念されます。一方、輸入企業にとっては恩恵となり、コスト削減や利益率向上につながります。また、円高は輸入物価の下落を招き、インフレ抑制に効果があります。しかし、ウォン安により今までのウォン高の恩恵を受けることができなくなります。
円高・ドル安、ウォン安ドル高は、日本と韓国の経済にそれぞれ異なる影響を与えます。輸出企業と輸入企業への影響、インフレへの影響など、両国経済への影響は複雑に絡み合い、今後の経済動向に注意が必要です。
2024年の為替相場見通し
市場関係者の間では、2024年末の円相場は1ドル＝130円台半ばから140円台前半になると予想されています。これは、2023年末の1ドル＝140円台後半から大幅な円高となります。
また、2024年末のウォン相場は1ドル＝1300ウォン台後半から1400ウォン台前半になると予想されています。これは、2023年末の1ドル＝1350ウォン台後半からウォン安となることを示します。
まとめ
2024年、円安ウォン高がいつまで続くか心配になる中、円安がついに終焉を迎え、円高・ドル安、ウォン安ドル高への転換が予想されています。しかし、日銀の政策や世界経済の動向など、依然として多くのリスクが存在するため今後の為替市場の動向に注意が必要です。
