2022年11月21日から12月18日にかけてカタールで行われる「2022FIFAワールドカップ」。サッカー日本代表は、最終予選の開幕3戦で1勝2敗。本大会出場が危ぶまれていましたが、伊藤純也選手や三苫薫選手の活躍により、最終的に7勝2敗1分けで本大会出場を決めました。
4月2日に行われた組み合わせ抽選会で、日本はグループEに配置されました。同組は、ワールドカップ優勝経験のあるスペインとドイツ、そして大陸間プレーオフの勝者(コスタリカもしくはニュージーランド)と、厳しい戦いとなることが予想されます。
今回はグループリーグの対戦国についてまとめ、評論家、ネットの声を取り入れながら日本代表の展開を予想していきます。
グループ決定を受けて監督、選手の反応は?
まずは組み合わせ決定後の監督、選手たちの反応をご紹介していきます。
森保一監督
かなり厳しいグループに入りましたが、このグループ分け決定について、日本代表の森保一監督は
「ワールドカップ優勝経験を持つ国と同じグループになれたことで、非常に厳しい戦いになると思いますが、最高にいいグループに入ったと思います」
と心を躍らせているようです。
続けて、
「(日本代表の)ほとんどの選手がヨーロッパで戦っていて、世界の強豪国の選手と渡り合っていますし、国内組の選手たちがより世界基準で戦える融合ができていると思います。Jリーグのレベルも上がってきていると思いますので、自信を持って、我々がやれるんだというところを思い切りぶつけていきたいと思います」
と話しています。これまでのワールドカップでは、日本代表は大会直前にディフェンシブな戦術に舵を切ることが多くありましたが、森保監督は
「ベースはしっかり保ちながら、ワールドカップで目の前の対戦相手にどうやって勝っていくかを考えていきたい」
と、これまで積み上げてきたプレースタイルを崩さず、ベスト8進出という最終目標を見据えた上で戦っていく姿勢を示しています。
遠藤航選手
ドイツのシュトゥットガルトでキャプテンも務める遠藤選手はドイツ紙『ビルト』に
「ドイツの名前を見た時はすごく興奮しました。バスの中は騒がしくなって、チームメートから『日本は厳しいな』と冗談交じりに言われました。ドイツは世界最高のチームのひとつですが、勝つつもりで戦います」
と意気込みを示しています。
柴崎岳選手
スペインのレガネスでプレーする柴崎岳選手はクラブのインタビューで
「スペインにはチャンピオンになるチャンスがあり、素晴らしい選手と監督、そして歴史があります」
とリスペクトを示す一方で、
「彼らはトップチームであり、次のラウンドに進むには大きな挑戦となります。相手が誰であろうとベストと尽くしますが、できないことはないと思います」
とスペインに対しても十分戦う姿勢を見せています。
その他にも長友佑都選手が「ワールドカップで本気のスペインやドイツとやれるのは楽しみ」といった発言をしており、名前負けなどはしていないようでした。
グループEの対戦国について
ここからはワールドカップ 2022で同組となったチームについてご紹介します。
スペイン
「ラ・ロハ」の愛称で親しまれているサッカースペイン代表は、2010年の南アフリカワールドカップで優勝を経験しています。「ティキ・タカ」とも表現されるワンタッチでのショートパスを繋ぎ、相手を動かしながらゴールに迫る戦術を用います。
注目選手はセルヒオ・ブスケツ選手(FCバルセロナ所属)
スペイン代表でキャプテンを担っているのが、ブスケツ選手。冷静沈着なゲームメイクとパスさばきで、ラ・ロハの心臓と表現されることもあります。33歳となりましたが、プレースタイルからは衰えは感じさせず、133キャップを誇るベテランはチームの精神的な支柱でもあります。
ドイツ
サッカー・ドイツ代表は、2014年のワールドカップ王者です。愛称は「ディー・マンシャフト」(ドイツ語で「ザ・チーム」の意)。チーム全体として相手のカウンターの芽をつぶし、攻守の切り替え早く相手ゴールに攻める「ゲーゲンプレス」を取り入れたサッカーを展開します。
注目選手はトーマス・ミュラー選手(バイエルン・ミュンヘン所属)
ミュラー選手は2014年の優勝メンバーの1人。的確なポジショニングと正確な技術、一瞬のスキも見逃さない目でゴールを量産してきました。32歳ですが、近年は周りを活かす技術がさらに向上。昨季はブンデスリーガで、21アシストを記録しました。若返りを遂げつつあるドイツ代表において、ベテランの域に入っているミュラー選手は、攻撃面でまだまだ中心的な人物です。
大陸間プレーオフ勝者
6月13日もしくは14日に開催される大陸間プレーオフで激突するコスタリカとニュージーランド。この試合の勝者がワールドカップ出場、日本の対戦相手となります。
コスタリカの注目選手はケイロス・ナバス選手(パリ・サンジェルマン所属)
かつてレアル・マドリードでチャンピオンズリーグ3連覇も成し遂げたケイロル・ナバス選手。類まれなセービング能力を備えており、ゴール前に立つ姿はまさに「壁」です。35歳になってもその能力は衰え知らずで、シンプルなシュートであれば確実にキャッチしてカウンターに繋げる技術の高さを持っています。
NZの注目選手はクリス・ウッド選手(ニューカッスル・ユナイテッド所属)
クラス・ウッド選手は、パワーあふれるプレーが魅力のストライカーです。東京五輪にOAとして参加すると、チームを史上初めてベスト8まで導きました。準々決勝で日本とPK戦までを戦う激闘を演じたことで印象に残っている方も少なくないはず。ニュージーランドにとって象徴的な存在です。
カタールワールドカップの展開は?
日本代表が目標とするベスト8に進出するためには、スペイン・ドイツから少なくとも勝ち点1を得た上で、第2戦を確実に勝利することがまずは必要となるでしょう。その上で、決勝トーナメント1回戦でグループF(ベルギー、カナダ、モロッコ、クロアチア)のいずれかに勝利することが必要になります。
仮に、日本代表が2位でグループリーグを突破すると対戦する可能性が高いのはベルギーでしょう。前回大会、あと一歩のところで逆転負けを喫した相手のためリベンジもここで果たしてもらいたいところです。
日本は眼中にない!?海外メディアやブックメーカー
ドイツの大衆紙『ビルド』やスポーツ専門メディア『アスレティック』のスペイン担当記者はグループ分けについて楽観視している状況です。また、ブックメーカー『Sky Bet』社のグループ突破のオッズを見ると、スペインが1.11倍、ドイツが1.17倍、そして日本が4.33倍となっていました。グループ突破はドイツ・スペインの2か国で、日本のグループ突破は難しいというのが大方の見立てのようです。
最後に
ワールドカップ 2022 カタール大会もグループ分けが決まり、これから最終調整に入ります。スペイン、ドイツと同組ということで『死の組』という声も多くありますが、これまで数々の奇跡を起こしてきた日本代表なので、今大会も期待したいですね!