1チーム11人で行うサッカーでは、選手の立ち位置(ポジション)戦略やそのチームのスタイルが大きく変わってきます。ピッチ上のどこに、どのような形で、何人を配置するのか。その配置をフォーメーション(システム)といいます。
近年、ポピュラーなフォーメーションといえば、4-2-3-1のように守備への意識が高くなっており、以前見られたようなひたすら攻撃のタクトを振る“司令塔”の選手は減少してきているようです。
今回はこのフォーメーションについて、トレンドの変遷も含めて紹介していきます。
サッカーのポジションの基本知識
基本的にサッカーのフォーメーションはポジションが固定されているGK(ゴールキーパー)を除いた10人を数字で表します。
DF(ディフェンダー)→MF(ミットフィルダー)→FW(フォワード)の順に3つ、もしくはMFを細分化して、DF→MF(守備的ミットフィルダー)→MF(攻撃的ミットフィルダー)→FWと4つのポジションに分けて表記されることが一般的です。
フォーメーションの変遷まとめ
1930年代〜50年代:攻撃的なWMフォーメーション
1930年代から50年代前半までは3-2-5が流行しました。3人のDFと2人のMF、そして5人のFWを配置するシステムです。FWの5人がアルファベットの「W」の文字のように配置され、MF,DFの5人が「M」の形でポジションを取ったため、「WMフォーメーション」と呼ばれました。
より攻撃的なこのフォーメーションは、当時の欧州で無敵を誇ったハンガリー代表などが採用していました。
1950年代後半〜:進化した4-2-4
「WMフォーメーション」に対抗するフォーメーションとして、4-2-4がうまれました。MFが攻撃にも守備にも関与することで、攻撃に6人、守備にも6人という状況をつくることができ、「WMフォーメーション」を上回ることができました。
ワールドカップでも1958年のスウェーデン大会を制したブラジルがこの形で戦いました。
1980年代〜:ゾーンディフェンスに最適な4-4-2
その後、4-2-4よりもバランスに優れた4-3-3が台頭。さらに1980年代には、中盤を重視した4-4-2システムが主流となりました。4-4-2はDFラインと中盤に4人ずつを並べた守備ブロックを形成でき、ゾーンディフェンスに適したフォーメーションでした。
現代:再度攻撃を重視した4-2-3-1,4-3-3
そして中央から攻めることが難しくなった現代サッカーでは、サイド攻撃を重視した4-2-3-1や4-3-3がトレンドとなっています。
また守備重視の戦い方を選択するチームは、センターバックを3枚配置する3-4-2-1、3-3-2-2といったフォーメーションも増えています。
フォーメーション①4-2-3-1
現代サッカーで最もポピュラーなのがサッカーフォーメーション 4-2-3-1で、日本代表も採用しています。
守備的MF(ボランチ)が2人、サイドアタッカーが2人、トップ下が1人のこのシステムは、何よりサイド攻撃を重視しています。
ボランチ、サイドアタッカーが2人ずついるため、サイドを中心に攻めながら、中央の守備の安定性も備えた攻守のバランスに優れたフォーメーションと言えます。
フォーメーション②4-3-3
4-2-3-1よりも攻撃的なのが4-3-3で、2022年のW杯ではスペイン代表が、クラブチームではFCバルセロナといった、ポゼッションスタイルのチームに採用されています。
攻撃性の強いこのフォーメーションは、ボールを失ってもすぐさま奪い返す“即時奪回”を実現しやすく、相手を自陣に押し込むことも可能となります。ただし、ボールを支配するためにも技術に優れた選手が多く必要で、さらにサイドに起点を作られやすい弱点もあります。
その意味では、リスクの大きいフォーメーションとも言えます。
フォーメーション③4-4-2
4-4-2はDF4人、MF4人、FW2人を配置した最もベーシックなフォーメーションで、一昔前はこの形が主流でした。
2022年のW杯ではアルゼンチンなどが採用しており、ポゼッション型にもカウンター型にも合わせることのできる形です。
パスを回しやすく、スペースも広く確保されるため、選手の特性を生かして攻撃の多様性をもたらすこともできます。
フォーメーション④3-4-2-1
センターバックを3人配置する3-4-2-1は、守備の安定をもたらせる形で、オランダ、イングラドなど、欧州の強豪国が採用しています。
左右のセンターバックと、ウイングバックがどう動くかによって、守備的にも、攻撃的にも戦うことができます。
最後に
今回はサッカーのフォーメーションについて、トレンドの流れを紹介してきました。
攻撃的なフォーメーションから徐々に守備を重視するようになり、より選手たちはより流動的に動くことが必要になってきました。
今後も攻撃陣0人などの思い切ったフォーメーションが生まれるかもしれませんし,しっかりと注目していきたいですね!