いよいよ開幕まで1カ月を切った世界水泳2023福岡大会。
福岡での開催は22年ぶりということですが、今大会への出場が内定している選手の中には九州や福岡出身の選手も複数います。
男子競泳選手の渡辺一平選手もその一人で、大分県出身の渡辺一平選手は4年ぶりに世界水泳選手権の大舞台に挑みます。
そこで今回は、男子200m平泳ぎの元世界記録保持者でもある渡辺一平選手のプロフィールや経歴についてまとめました!
渡辺一平(わたなべ いっぺい)選手のプロフィール
- 1997年3月18日
- 年齢:26歳
- 出身地:大分県津久見市
- 身長:193cm
- 血液型:A型
- 出身校:早稲田大学スポーツ科学部
- 所属:トヨタ自動車
- 競技種目:平泳ぎ
渡辺一平選手の経歴
4人姉弟の末っ子として生まれた渡辺一平選手。上は姉3人で、幼い頃は男兄弟「お兄ちゃん」に憧れていたそうです。そして、3歳上の親戚のお兄ちゃんが水泳をやっていたことがきっかけで、小学2年生から渡辺一平選手も一緒にプールに通うようになりました。
津久見市立津久見小学校時代
小学生の時は地元のスイミングスクール「つくみJSC」に通っていた渡辺一平選手。一応全種目泳げるものの、コーチに「平泳ぎがいい」と言われ、ほぼ平泳ぎ専門で泳いできました。
渡辺一平選手が「この時の練習が人生で一番きつかった」と話すほどつくみJSCの練習はハードで、1日4~5時間泳いでいたそうです。また、夏には近所の高校にある屋外の50mプールを使って練習することも。夜は照明が届かない箇所もあり、怖い思いをしながら練習していたこともありました。あまりのきつさにゴーグルの中に涙をためながら厳しい練習に耐えていたとのことです。
小学3年生で県大会で優勝し、小学5年生の時には全国JOCジュニアオリンピックカップにも出場しています。
津久見市立第一中学校時代
多くの競泳選手がスイミングクラブで育っている中、渡辺一平選手は中学の水泳部に所属し、練習拠点も中学校でした。中学時代もほとんど休みは無かったそうですが、小学校時代に比べると練習は楽になったとのこと。
中学2年生の時には九州大会で優勝し、JOCにも出場しています。
しかし、中学時代は大会に出場しても決勝まで残ることはほとんどなく、中学3年生で国体出場を果たしたことに満足し、水泳に一区切りつけようと考えていました。
その国体の帰り道のバスで、幼なじみが事故に遭ったと連絡が。。。
その幼なじみは亡くなる前にご両親に「(渡辺一平選手には)オリンピックまで行ってほしい」と告げたそうです。渡辺一平選手の国体出場を喜んでくれていた幼なじみ。その最後の言葉を親から知らされ、水泳に対する気持ちに大きな変化が生じました。
これまでオリンピックは現実的ではないと考えていましたが、水泳を続けたいと思い、実家から通える水泳強豪校への進学を決意します。
大分県立佐伯鶴城高等学校時代
高校は過去にインターハイ総合で4連覇を達成し、当時日本水泳連盟副会長だった青木剛さんの母校でもある佐伯鶴城高等学校に進学。
プール自体もとても良い施設でしたが、ちょうど渡辺一平選手の入学のタイミングで下城智宏監督が赴任してきたのも高校時代に結果を出せた理由だと渡辺一平選手は語ります。
下城監督はいつも練習を工夫して楽しませてくれたり、練習メニューに生徒の意見を取り入れてくれることもよくあったそうです。
高校時代、渡辺一平選手は「今日は身体がきついから練習はいらない」と帰ってしまったこともあったそうですが、下城監督は一度も怒ることはなく「練習を休んだ翌日の練習の頑張りには期待しているからな」と言ってくれる、とても器の大きな監督でした。
そんな下城監督のもとで練習に励んだ渡辺一平選手はめきめき頭角を現し、高校3年生で出場したJOC(春季)では、平泳ぎ100m、200mで2冠を達成。最優秀選手として表彰されました。
また、3年生の時には日本代表として2014年南京ユースオリンピックにも出場。200m平泳ぎで優勝し、金メダルを掴みました。
早稲田大学時代
大学は早稲田大学スポーツ科学部に進み、水泳部に所属。当時の先輩には中村克選手(自由形)、瀬戸大也選手(個人メドレー)、坂井聖人選手(バタフライ)など日本代表入りする選手がいて、彼らとともに練習することで日本代表を意識するようになりました。
大学2年生でリオデジャネイロオリンピック出場
2年生の時に出場した日本選手権では、200m平泳ぎ予選で自己ベストを更新し、決勝でも2位。リオ五輪日本代表の座を掴み取りました。
そのリオ五輪では、準決勝でオリンピック新記録をマークするも、決勝は6位とメダル獲得には届きませんでした。
大学2年生の1月に世界記録保持者に!
2017年1月に出場した東京都選手権水泳競技大会の200m平泳ぎ決勝で、2分6秒67の記録を叩き出し、4年以上破られることのなかった山口観弘選手の世界記録を0秒34更新。世界記録保持者となりました。
大学4年生のパンパシフィック水泳選手権大会で金メダル獲得
2018年8月に行われたパンパシフィック選手権では、200m平泳ぎに出場。予選で大会記録を塗り替え、決勝でも先頭でフィニッシュ。シニアの国際大会で初優勝を果たしました。
大学卒業後
大学卒業後は複数の強化運動部を持ち、多数のアスリートが所属しているトヨタ自動車に入社。競泳では渡辺一平選手の他に東京五輪100mバタフライに出場した川本武史選手が同社に所属しています。
2019年7月、世界選手権では200m平泳ぎで3位となり、2大会連続での銅メダル獲得となりました。
2020年12月に行われた日本選手権では200m平泳ぎで優勝し、見事2連覇を達成。
2023年4月開催の日本選手権では200m平泳ぎで優勝し、4年ぶりの世界選手権日本代表に内定しました。地元・九州での開催となる世界水泳。「世界記録を出せると自信を持ってレースに臨みたい」と意気込みを語っていました。
まとめ
今回は、2023年7月14日より開幕となる、世界水泳選手権2023福岡大会に出場予定の競泳男子・渡辺一平選手の経歴やプロフィールをまとめてみました。
元世界記録保持者である渡辺一平選手、地元・九州で再び世界選手権の表彰台に立つことはできるのでしょうか。メダル獲得だけではなく、ぜひ記録にも挑戦して欲しいものです。
渡辺一平選手の世界選手権での健闘を願っています!