第7回 コース解説その3・浦和美園~浦和美園(約27km)

 みなさん。こんにちは。埼玉県庁所属、大会サポーターの川内優輝です。
 第7回のテーマはコースシリーズ第3弾「コース解説その3・浦和美園~浦和美園(約27km)」についてです。

 細かいアップダウンの続く、国道463号に一旦別れを告げて、埼玉スタジアム2◯◯2に向かっていく区間は綺麗で平坦でとても走りやすいです。ただ、冬に多い北西の風が吹くと、強烈な向かい風を受ける厳しい区間に変貌します。この区間は国道463号よりも道幅の狭い部分も多いので、折り返してくるランナーとの距離を近く感じられる区間です。前回大会で一般の部で走ったときには、30分前にスタートした代表チャレンジャーの部のランナー達をこの区間から本格的に次々と追い抜き始め、「代表チャレンジャーの部を何人抜けるか、ここからが勝負だ」と気合が入りました。また、追い抜かす時に「ファイト!」、「頑張れ!」と代表チャレンジャーの部の女子選手達と声を掛け合って励まし合った区間でもあります。左折、右折を経て、埼玉スタジアム2◯◯2に向かっていく道に合流すると、左手に段々と近づいてくる白いスタジアムに気分が高揚してきます。しかし、向かい風は強烈にきついことが予想されますので、「埼スタまで頑張れば・・・追い風!」と自分自身を勇気づけながら、風に立ち向かっていくとよいと思います。また、この道は排水のために歩道側に傾いているので繊細なランナーは道路中央付近を走らないと気になるかもしれません。

 埼玉スタジアム2◯◯2を巻くように緩やかに左にカーブし、右手にカインズホームが見えてくると、国道122号との合流点の手前で第1折り返しとなります。この折り返しでは、りそなグループを中心とした大応援団が熱心に応援してくれました。この第1折り返しを過ぎると、レースも半分終わったような気持ちになります。しかし、実際には17.4km地点に過ぎず、まだまだ半分には到達していません。気を引き締め直して、頑張っていきましょう。

 折り返してから進んで来た道を戻っていき、緩やかに右折して、少しすると北西風の場合には埼玉スタジアム2◯◯2を背に追い風となります。向かい風の中で重かったはずの脚に力が戻り、ぐんぐん勢いに乗れる疲れた身体にも優しい区間になります。リズムが崩れていると感じた場合には、この区間でしっかりとよいリズムに戻して、後半戦に備えていきましょう。そのまま、来た道を戻っていき、20km地点を過ぎてから数百メートル進み、左折すると、再び国道463号に合流します。

 浦和美園地区から越谷市神明町の第2折り返しまでは平坦で綺麗な道が続いていきます。周囲に建物も少ないので開放感のある区間です。田んぼを眺めながら広い道路を走っていると「本当にさいたま新都心からスタートしたのだろうか」という気持ちになってきます。しかし、北西風が吹いている場合には、第2折り返しからの約2.5kmの平坦な区間は、遮るものが何もないので、コース全体を通して最も風が凄まじい区間となります。かつて、試走した際には風で帽子が吹き飛びそうになり、身体はよろけて、両耳に風の音が入ってきて、サングラスの必要性を痛感しました。強風時には、間違いなくこの区間がさいたま国際マラソンで記録を狙う上で最大の障害になります。記録を狙いたければ、周囲のランナーと協力しあって代わる代わる先頭を引っ張りあって風に立ち向かい、風が少し弱まる浦和美園地区まで粘ることが大事になってくると思います。もしも昨年の私のように単独走となってしまった場合には、とにかくリズムを意識して風に立ち向かっていくしかありません。単独走が予想されるランナーは、昨年の私のようにサングラスを着用することをお勧めします。

 向かい風の走り方は登り坂の走り方に似ています。しっかりと腕でリズムを取って走っていきましょう。この区間をどう走るかでレース終盤の走りが大きく左右されると言っても過言ではありません。

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第6回 コース解説その2・駒場運動公園~浦和美園(約15km)

 みなさん。こんにちは。埼玉県庁所属、大会サポーターの川内優輝です。
 第6回のテーマは前回に続いて、「コース解説その2・駒場運動公園~浦和美園(約15km)」についてです。

 駒場運動公園を左手に見ながら、8kmの部と別れを告げて、そのまま緩やかに下っていき、左折すると、コース全体の半分弱を占める国道463号に合流します。左折するとすぐに少しキツイ登り坂が現れるので、下った勢いでそのまま一気に登ってしまいましょう。そのためには国道463号に合流する左折時に減速せずに勢いを維持することが大切です。

 国道463号に入ると緩やかなアップダウンが連続します。坂がパッと目に入ると「きつそうだな」とネガティブな感情になりがちです。しかし、国道463号の坂のほとんどは、実際に走ってみると見た目ほどきつくはありません。視覚に騙されずにリズムだけを意識して、なるべく坂のことは考えないようにすることがコース攻略の鍵になります。

 「前のランナーにしっかりついていこう」とか「後半はどこからペースアップしようか」などと考え事をしながら走っていくと、気づいた時には登り坂は終わって下り坂になっていると思います。その程度の坂ですので、「坂を意識しすぎないこと」が上手に走るためには大切になります。また、この区間は昨年実際に走ってみて、想像よりも沿道の応援が多く、元気が出ましたので、そうした応援も力に変えて頑張りましょう。

 ある海外マラソンの大会ディレクターは、「平坦なコースは簡単なように見えて実は同じ筋肉ばかりを使っているので後半にダメージが大きくなる。しかし、起伏のあるコースは色々な筋肉を使うので、上手く走れば平坦なコースよりも後半に筋力を残すことができる」と言っていました。つまり、この区間を上手に気持ちよく走れると後半も筋肉を温存できるのでペースを維持することもでき、よいタイムやよい順位に繋がるといえるでしょう。

 9km付近には中尾陸橋のアップダウンがありますが、それほどきつくはありません。中尾陸橋から緩やかなアップダウンを繰り返しながら直進していくと、新見沼大橋が見えてきます。新見沼大橋前にはちょっとした坂もありますが、少し意識してリズムよく登ればたいしたことはありません。新見沼大橋から左右に広がる自然豊かな景色を眺めて走っていると、「さいたま新都心から10kmくらいの場所に、まだこんなにも自然が残っているのか」と思うでしょう。都市と自然が共存する埼玉らしい景色の変化を実感できます。ちなみに、この新見沼大橋は有料橋です。さいたま国際マラソン当日は無料の歩道でなく、広い車道の真ん中を堂々と走っていくことができます。橋の出口では自動車の料金所のゲートを走り抜けていきます。料金所のゲートを走り抜けることができる大会は全国的に見ても千葉アクアラインマラソンなどわずかしかありませんので、新鮮な経験ができると思います。また、この辺りから代表チャレンジャーの部の先頭集団とすれ違い始めると思います。世界の一流選手の速さや先頭集団の周囲の報道車などを見ると、「国際レースを走っている」ということが実感できると思いますので、レース後半に向けて、自分自身のモチベーションに繋げて欲しいと思います。また、制限時間内ギリギリ完走を目指しているランナーの場合には、先頭集団とすれ違った地点が11km地点よりも手前であったり、すれ違わなかったりした場合にはどこかで関門に引っかかってしまう可能性が高いので、苦しくてもペースアップするようにしましょう。

 料金所のゲートを抜けると、左手に見えてくる浦和大学に向かって一気に下り、下ったら右手に見えてくる浦和ルーテル学院に向けて登っていきます。ここの登りは少しキツいかもしれません。腕を小刻みにリズムよく振って走るような「坂の走り」を意識する必要があります。けれども、学生の応援も多い区間ですので、若い応援を背にリズムよく登ってしまいましょう。そのまま真っすぐ進んでいくと東北自動車道にかかる鶴巻陸橋に着きます。鶴巻陸橋からは左手に東北自動車道浦和料金所が見えます。首都高速のような高速道路を見上げる景色に慣れているランナーにとっては、眼下に高速道路を見ながら走ると新鮮な感じがすると思います。そして、浦和料金所の奥にはこれから向かう埼玉スタジアム2◯◯2が見えてくるので元気がもらえるでしょう。

 美園駅南陸橋を越えていくと、浦和美園駅周辺の交差点に着きます。大型店の多い交差点は、しばらく続いた田舎の景色から一転するので、突然「新しい街」が現れたような気分になります。そうした景色の変化を感じることで、単調になりがちな気分を転換してみてください。美園駅南陸橋を下ってからは暫く直進します。15km手前の交差点で左折して、国道463号と一旦別れを告げると、埼玉スタジアム2◯◯2へ向かって整備された綺麗な道路を進んでいくことになります。

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第5回 コース解説その1・スタートから駒場運動公園(約8km)

 みなさん。こんにちは。埼玉県庁所属、大会サポーターの川内優輝です。
 第5回のテーマは「コース解説その1・スタートから駒場運動公園(約8km)」についてです。このコラムでは第1回からやや難解な「制度」のことばかり話してきましたが、今回からは内容をガラッと変えて、「さいたま国際マラソンのコース」を5回に分けて紹介します。

 既に御存じの方もいると思いますが、今年のコースは昨年と少し変わっています。ですので、昨年と共通している部分については、昨年レースを走ってみた経験を基に解説し、今年変更になった部分については、今年実際に下見をしてみた感想を基に解説します。

 スタート地点は、さいたま新都心駅からすぐのさいたまスーパーアリーナ前の道路です。毎年大勢の応援の方や関係者の方が集まっています。スタート前に注意すべき点は「スタートまでの待機時間」です。特に歩道橋下などの日陰でスタートまで待機しなければならなくなってしまった場合は想像以上に寒いです。今回から時期が12月に移ったこともあり、大会当日は寒くなる可能性が増えました。捨ててもいい上着かポンチョ、ビニール袋などを羽織って、スタートラインに向かいましょう。

 スタート直後は約500mの直線。やや下り基調ですので、トップランナーは気持ちよく走り始めることができるでしょう。一方で、後続のランナーが気持ちよくスタートできるかどうかは、事前の申告タイムが正確なランナーが多いかどうかによります。毎年、制限時間ギリギリには、フィニッシュ付近で応援をさせて頂いています。応援をしていると、制限時間ギリギリのフィニッシュにも関わらず、BやCのゼッケンをつけているランナーが多数見られました。「1秒でも早くスタートしたい」という気持ちはわかりますが、走力とかけ離れた位置からスタートしてしまうと、後続とスピードが違いますので大変危険です。先頭から最後尾までスムーズで安全なスタートができるよう、申告タイムはなるべく正確に申告して欲しいと思います。

 500m付近と1.1km付近では、直角に右折します。ここでは集団は大きいままだと思いますので、転倒に気をつけて欲しいと思います。距離的なロスは多少あるかもしれませんが転倒が不安なランナーはスタート地点での整列時に外側(左側)に並ぶことを勧めます。ランナーはカーブでは内側に一気に押し寄せていく傾向がありますので、「急がば回れ」ということわざのとおり外側からスタートすれば、自分のリズムを崩さずに走ることができ、「多少の距離的なロス」以上に厄介な「リズムのロス」を防ぐことができます。

 次のポイントは2km付近の「吉敷町の東北本線などのアンダーパス」。登り坂は少し急ですが、まだ2km地点で元気一杯のはずですので特に問題ないと思います。ここで注意しなければならないのは登り坂よりもアンダーパスに向かう急な下り坂の方です。アンダーパスは急な下り坂で急に暗くなるため、大集団で一気になだれ込んでいくとリズムを崩して転倒してしまう危険性が高いです。それ以上に、転倒したランナーを避けきれずに巻き込まれる「連鎖転倒」がコース上で一番発生しやすい地点ですので、気を引き締めて走りましょう。

 アンダーパスを抜けて、吉敷町の交差点を右折すると、旧中山道に入ります。そのまま走っていくと、さいたま新都心駅前に到達します。左手にはショッピングモールのコクーンも見え、ケヤキ並木の気持ちのよい直線が続く区間です。

 その後はコースの左右に商店などが多くなってきます。この付近は、応援も多く、道もフラットで、北風の場合には追い風になるので、とても楽しく走れる区間です。しかし、ここで「頑張れ!!」という沢山の声援が嬉しくなって、力んでオーバーペースになってしまうと、後半で手ひどいしっぺ返しを受けてしまうかもしれません。あくまでもこの地点は序の口。「リズム良く、楽しく」をモットーに頑張り過ぎずに楽しんで走ってください。

 とても賑やかな北浦和駅東口付近を左折し、旧中山道に別れを告げると、元町通りに入ります。元町通りは住宅街の中の狭い道という印象です。ヨーロッパのレースや日本各地の市民マラソンでは、このような道も普通ですが、日本の国際マラソンとしては異例のコースです。しかし、道が狭い住宅街を通ることによって、地元の方々の温かみのある声援を間近から受けられます。この区間は、さいたま国際マラソンの魅力の1つともいえるでしょう。

 元町通りの終盤には本太中学校手前の登り坂があります。距離はほとんどありませんが、少しキツイ傾斜です。しかし、中学生が一生懸命応援してくれると思いますので、若い声援を背にリズムで一気に登ってしまいましょう。坂を上り切るとすぐに直角に右折します。一気に登った勢いでリズムを崩すことなく、身体を内側に傾けてグンと曲がることを楽しんでみてください。右折して少しすると8kmの部のフィニッシュになっている駒場運動公園に向かって緩やかに下っていきます。8kmの部はそのまま駒場運動公園の陸上競技場でフィニッシュとなります。

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第4回 埼玉県唯一の陸連公認フルマラソン

 みなさん、こんにちは!埼玉県庁所属、大会サポーターの川内優輝です。
 第4回に入る前に前回お話しした「IAAF LABEL ROAD RACES」について、先日2019年版( https://media.aws.iaaf.org/competitioninfo/37136688-ea01-44da-8d15-7b0584b10694.pdf )が公開されましたのでお知らせします。ドーハ世界陸上や東京五輪の出場資格にも導入される「IAAF World Ranking」の順位に基づいて選手のラベリングを決定し、大会のラベリングには「Gold Label」の上に完走者数やトイレの数など細部まで条件を定めた「Platinum Label」が新設されるなど、2018年と大幅に変更となりました。やはり制度は毎年どんどん変わっていきますので、注意しなければいけないですね。

さて、前置きはこれくらいにしまして、第4回のテーマは「埼玉県唯一の陸連公認フルマラソン」についてです。埼玉県内では大小さまざまな市民マラソン大会が開催されています。そうした県内に数多くある市民マラソンの中で、「日本陸連公認大会」が何大会あるか、みなさんは知っていますか?

実は県内に「陸連公認」のハーフマラソン大会は、たったの3大会しかありません。11月の「上尾シティマラソン」と「小江戸川越ハーフマラソン」、2月の「ふかやシティマラソン」の3大会です。なお、「ふかやシティマラソン」のみ10kmも「陸連公認」コースとなっています。これら3大会は、いずれも箱根駅伝強豪大学や実業団選手が参加し、全国的に見てもレベルが高い大会となっています。特に「上尾シティマラソン」は箱根駅伝の大学内選考会などを兼ねて、学生ランナーが大勢出場しており、世界的に見てもレベルが高い大会です。現日本記録保持者の大迫選手も、前日本記録保持者の設楽悠太選手も学生時代には上尾シティマラソンを走り、好記録を残しています。

そして、県内の「陸連公認」のフルマラソンは、実は「さいたま国際マラソン」だけしかありません。かつて1992年から2001年にかけて存在した「彩の国さいたまマラソン」が中止になってから、近年の大都市マラソンブームにも関わらず、埼玉には「陸連公認」のフルマラソンがない時代が10年以上続きました。そして、2015年に「さいたま国際マラソン」がスタートしたことで、県内に「陸連公認」フルマラソンが復活したのです。

ちなみに一部勘違いをされているランナーもいますが、「陸連公認大会」を走っただけでは「陸連公認記録」にはなりません。大前提として、「陸連の登録会員」であること、つまり都道府県の陸上競技協会などに「陸連登録」をしている必要があります。東京マラソンの「エリートの部」などには「陸連登録者」でなければ、他の条件を全て満たしていても出場することはできません。「さいたま国際マラソン」の「代表チャレンジャーの部」も同様です。「陸連登録」の方法については、お住まいの都道府県の陸上競技協会HPなどを御覧いただければと思います。

なお、「陸連登録」をしていても、「公認コースであるけれど公認大会ではないから公認記録にはならない」という大会がいくつかあります。「公認コース」ですので、距離などは日本陸連のルールに基づいて計測されており正確です。しかし、正確なコースを使っているだけで、そのほかの部分では「公認大会」としての要件を満たしていない部分があるので「公認記録」とはなりません。こうした紛らわしい大会を見分けるためには、①「公認の部」と「一般の部」に表彰の部門が分かれている(一部例外の大会あり)、②主催又は主管に「日本陸連」又は「都道府県陸上競技協会」が入っている、③申込時に「陸連登録番号」を記入(入力)する欄がある、といった点に注目する方法があります。なお、最近では③の「陸連登録番号」に代わって、「JAAFID」を入力する大会も増えています。まれに「公認の部」があるにも関わらず、ハイレベルな「公認の部」を避けて、賞品・順位狙いで「一般の部」にエントリーする「陸連登録者」もいますが、そのような行為は「陸連登録者」として恥ずかしい行為ですので絶対にやらないようにしてください。

また、「公認大会」を確認する一番簡単な方法として、日本陸連HPの大会情報( https://www.jaaf.or.jp/competition/ )の下部にある「加盟団体大会情報」をチェックする方法があります。この「加盟団体大会情報」は、都道府県毎にクリックすることができるようになっています。陸上競技場でのトラックレースの公認記録会を含む年度内の大会リストと競技会コードが掲載されていますので、ここに大会名と競技会コードが掲載されていれば「公認大会」であると判断することができます。

毎年2月から3月頃には新年度の大会リストに更新されますので、「公認大会」をベースに1年間のレーススケジュールを組み立てたいランナーにとっては必見のページです。年度の後半のマラソン大会ですと、大会公式ホームページやランニング雑誌での日程告知よりも早く大会日程を知ることができることもあります。勿論、年度当初の時点では、未定や調整中の大会も一部ありますが、ページは随時更新されています。

ちなみにさいたま国際マラソンは「日本陸連」の公認のほかに、「国際陸連(IAAF)」と「国際マラソン・ディスタンスレース協会(AIMS)」の公認も取得しています。いずれも県内大会では、さいたま国際マラソンだけが公認を取得しています。

ここまで登録者向けの話ばかりになってしまいました。登録者以外のランナーにとっても、「公認大会は必ず距離が正確」ということなど魅力的なことはたくさんあると思います。しかし、公認を守り続けるうちに運営が保守的になり、今の市民マラソンブームとは一線を画した「陸上競技場での記録会」のようなピリピリした雰囲気になっている大会もあります。そうした大会には記録や順位狙いでピリピリしているシリアスなランナーばかりが集うため、「エイドなどを楽しみたい」ランナーには不向きです。

ですので、登録者以外のランナーにとっては、必ずしも公認大会が素晴らしいとは限らないですし、公認大会でなくとも素晴らしいマラソン大会はたくさんあります。自分に合った大会は自分の脚で確かめなければわかりません。そのことだけは忘れないで欲しいと思います。

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第3回 シルバーラベルとは?

 みなさん、こんにちは。さいたま国際マラソン大会サポーターの川内優輝です。
 第3回のテーマは、「シルバーラベルとは?」です。さいたま国際マラソンのHPやパンフレットにいつも小さく表示されている「IAAF Road Race SILVER Label」と記された銀色のマーク。何のマークなのか疑問に思った方もいるのではないでしょうか?今回はこの謎の銀色のマークについて紹介します。

 実はこの銀色のマークは、さいたま国際マラソンが「IAAFロードレースラベル制度(IAAF LABEL ROAD RACES)」の「シルバーラベル大会」であることを示しています。

 世界中のロードレース大会は、2008年から国際陸連によって、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」、「ラベルなし」の4大会に分類されるようになりました。この格付け制度の中で、上から2番目の「シルバーラベル」をさいたま国際マラソンは取得しているのです。

 2018年9月現在、日本国内のシルバーラベル大会は2月の「香川丸亀国際ハーフマラソン」と「さいたま国際マラソン」の2大会しかありません。つまり、さいたま国際マラソンは日本で唯一の「フルマラソンのシルバーラベル大会」ということになります。

 「いや、それは違うよね?」と思った方は、なかなかのマラソンマニアだと思います。しかし、ネット上の信頼できそうなページであっても時々間違った情報が掲載されていますので注意が必要です。昨年の時点では正しかった情報が今年も正しいとは限りません。
私が昨年スポーツナビに寄稿した記事( https://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201712040004-spnavi )も掲載された時点では正しいことを書きましたが、現時点では正しくない内容がいくつか含まれています。常にアンテナを高くしていなければ、制度はどんどん変わっていきます。ですので、情報の真偽をハッキリさせるためには多少面倒でも最新の引用元(原文)を探し出して、実際に読んでみることが大切になります。

 「シルバーラベル取得の条件」は毎年変更されています。特に2018年(1月1日~12月31日)は前年までと比べると、様々な点で大きな変更がありました。2018年の「シルバーラベル」取得の主な条件は、①女子(男子)のみのレースの場合は最低7人(男女混合レースの場合は、男女それぞれ6人)の「シルバーラベル」以上の招待選手を最低4ヶ国かつ2地域(但し、オセアニアとアジアは1つの地域、北中南アメリカも1つの地域)から招待すること、②女子(男子)のみのレースは最低5人(男女混合レースの場合は最低男女それぞれ5人)に競技会内ドーピング検査を行うこと、③生放送又は録画でレースを最初から最後までテレビで放映すること、などです。

 このうち①の「シルバーラベル」選手とは、2018年の女子選手の場合には、2016年1月1日以降に、①マラソンを2時間32分00秒以内(ハーフマラソンを1時間12分00秒以内、10kmロードレースを33分00秒以内、10000mを32分30秒以内、5kmロードレースを15分30秒以内)で走った選手、②ブロンズラベル大会で優勝した選手のことを指します。

 ちなみに「ゴールドラベル」選手には、タイムの基準を満たしていなくとも、マラソンで、①リオ五輪25位以内、②ロンドン世界陸上25位以内、③エリアチャンピオンシップ(アジア選手権など)で3位以内など、世界大会での順位によって指定される規定もあります。そのため、「シルバーラベル」のタイム要件などを満たしていない選手が、「ゴールドラベル」選手の場合もあります。

 第1回から「シルバーラベル大会」であるさいたま国際マラソンは、ラベル取得条件を満たすために「シルバーラベル以上の選手」を毎年何人も招待しています。ですので、さいたま国際マラソンには、毎年のように有力な外国人招待選手が参加しているのです。

 ちなみに私も「ゴールドラベル選手」ですので、この制度のおかげで数多くの海外マラソンに遠征費用を気にすることなく、招待選手として出場することができています。

大会がラベルを取得するためには、今回紹介したほかにもいくつかの条件をクリアする必要があります。また、男子選手のラベル取得の条件などについても今回のコラムでは詳しく述べていませんので、IAAFロードレースラベル制度について、もっと詳しく知りたい方は、英語になってしまいますが、国際陸連の「IAAF LABEL ROAD RACES REGULATIONS2018( https://media.aws.iaaf.org/competitioninfo/d026e1d2-91fd-40ee-847e-34853a115945.pdf )」を御覧いただければと思います。

 今年のさいたま国際マラソンには、海外からどのような有力選手が参加してくれるのでしょうか?海外招待選手の発表が楽しみですね。

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さいたま国際マラソン 大会事務局

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